ダックスフンドにおける椎間板ヘルニア症について 医師
川瀬 清 様
椎間板ヘルニアは、全犬種に起こります。特に胴長の犬種に多く見られ、ダックスフンドに限り60%を超える出現率です。原因は胴長による胸腰椎の運動時における過剰な負担によるもので、長い橋の中央が上下にたわむ様に椎間板ヘルニアでは、椎間板の脊髄への脱出圧迫が起きて、神経症状、腰瘻(腰抜け)が突発的に起こります。加齢に伴うものばかりでなく、常に立ち上がってジャンプを繰り返したり、階段の上り下りを短い距離でも何度も繰り返すなど、身近なところでは、ベッドや飛び上がって入る犬舎などでも容易に発病します。外気や温度差による疼痛や運動失調の原因でも起こります。
大きな原因があるのが、肥満です。太った犬の急激な運動、運動不足も原因となります。
診断と治療
診断はレントゲン写真で行われます。急性麻痺を発症した場合は、外科的治療を行います。内科的には、ビタミン、鎮痛消炎剤、ステロイドホルモン等の投与が有効。食餌療法、肥満ダイエットフードを与え、低カロリーにします。
近頃は、MRI.CTなどの高度診断のハイテクの利用が多く使われており、確実な脊椎の異常を見つけることができます。手術に関しては、必ず専門医に見せることが重要です。 |